熱処理用語の解説

 鋭敏化(えいびんか)   [a15]

ステンレス鋼などの粒界に炭化物などが析出することで、粒界腐食の感受性が高くなる(腐食されやすくなる)ことを「鋭敏化する」といいます。

一般的には、鋭敏化することは耐食性、耐酸化性が低下することから、鋭敏化は良くないことです。

粒界腐食の例
これは、鋭敏化した粒界に沿って応力破壊割れを起こした例を示す顕微鏡写真の例です。

オーステナイト系ステンレス鋼については、(使用する環境や、人為的に熱処理などで昇温して)温度が高くなると鋭敏化は進行します。これによって、耐食性・耐酸化性は低下します。

この鋭敏化は、加熱温度や使用温度が高い場合だけでなく、SUS304では、強加工した場合にも生じやすく、これを防止するにはオーステナイト安定性の高いステンレス鋼を使用する必要があります。

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SUS304(18-8ステンレス)などは準安定系ステンレスとよばれており、比較的安価になるように考えられたオーステナイト系ステンレスですが、これを、よりオーステナイトの安定度が高いSUS316LやSUS310の変えて使用することで長寿命化がはかれます。(ただし、これらはSUS304に比べて高価です)

鋭敏化したオーステナイト系ステンレス鋼は、再度、溶体化処理(SUS304では1030℃程度に加熱して水冷する)をすることで解消します。

しかし、再熱処理をすると、変形や結晶粒の粗大化などが起こりやすいうえに、場合によっては、変形して品物にならないようになることも考えておく必要があります。


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(来歴)H30.11 文章見直し  R2.4 CSS変更   最終確認R6.1月

用語の索引

あ行 あいうえお
か行 かきくけこ
さ行 さしすせそ
た行 たちつてと
な行 なにぬねの
は行 はひふへほ
ま行 まみむめも
や行 やゆよ
ら行 わ行 らりるれろわ

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